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温泉沈殿物や鉱床
熱い水には、普通では溶けないものが溶け込みます。
温泉の熱い水に溶けているものが地表で冷えたときに出てくる沈殿物や鉱物が集まった鉱床です。
中性の温泉沈殿物
水質が中性に近い温泉水には、二酸化炭素やケイ素が溶けています。
・石灰華:
二酸化炭素の圧力が高い熱水が地表に達して周囲の圧力が下がると、二酸化炭素が分離し、pが上がります。
pHが上がると、炭酸カルシウムの溶解度を下げるので、カルシウムを含む方解石や霰石が沈殿します。これを石灰華といいます。
例:北海道の二股温泉、岩手県の夏油温泉、長野県の白骨温泉、石川県の岩間噴水塔
?カルシウムはどこから??
・珪華:
熱水は石英を多く含んでいるので、地表に達して温度が下がると非晶質珪酸を沈殿します。これを珪華といいます。
例:青森県の恐山、秋田県の秋ノ宮温泉、長野県の中房温泉
酸性の温泉沈殿物
多くの物質を溶かし込んでいて、pHの上昇や硫化水素の付加によって鉱物をつくります。
・褐鉄鉱:
火山地域では酸性の硫黄泉は岩石からの鉄やアルミニウムなど多くのイオンを溶かしています。
この温泉水のpHが高くなるにつれ、溶けていたイオンが溶けにくい順に鉱物になって出てきます。
例:北海道の倶知安・喜茂別、群馬県群馬鉄山(草津周辺)
・硫黄:
雨水の水溜りに硫化水素が吹き込んで出来た酸性水の場合、鉄、アルミなどを溶かした水でないので、硫黄を沈殿します。
熱水鉱床
地下にしみこんだ雨水がマグマの熱で温められると、軽くなって岩石の割れ目を通って地表へ戻ります。
温められたときに溶かしこんだ物質が地表付近で冷えて鉱物になり、脈や鉱床を作ります。
例:石英脈、カルサイト脈、熱水金鉱床
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