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鉱物事典

手抜きコンテンツ。増えた知識を書き留めるページです。
鉱物の成因を重視しているので、鉱物系のサイトの説明とはちょっと違うかもです。
※説明はwiki先生より。

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産出状態による分類

1.造岩鉱物:岩石を構成している鉱物。
2.接触鉱物:火成岩(マグマ)の熱によって生成された鉱物。
3.鉱石鉱物:鉱石として採掘される有用な鉱物。
4.粘土鉱物:岩石が分解してできた粘土を構成する鉱物。

1.造岩鉱物

地球上の大多数の岩石を構成する鉱物の総称。
ほとんどの岩石は、ほぼ造岩鉱物のみからできている。
石英(quartz)
SiO2
img 六角柱状のきれいな自形結晶をなすことが多い。基本は無色透明だが、色つきもある。
石英が目に見えるほどの大きさになったものを水晶という。
地面の奥深くで素の珪酸分の溶けた熱水があり、温度や圧力が低くなって結晶化する。
昔、氷の化石と考えられ、ギリシャ語の「クリタロス(氷)」からクリスタルという名前になった。
紫水晶(アメジスト)・瑪瑙(メノウ)・碧玉(ジャスパー)などは石英の仲間。
長石(feldspar)
(Ca,Na,K)AlSi3O8
img もっとも存在量が多く、ほとんどの岩石(火成岩、変成岩、堆積岩)に含まれる。
アルカリ長石の中でカリウムに富む長石をカリ長石(正長石など)。
斜長石の中でナトリウムに富む長石を曹長石、カルシウムに富む長石を灰長石という。
ムーンストーンも長石の仲間。
雲母(mica)
黒雲母K(Mg,Fe)3AlSi3O10(OH,F)2
白雲母KAl2AlSi3O10(OH)2
img 薄くはがれるのが特徴で、外見上の色で分類される。火成岩中に多い。
黒雲母が茶色く風化したものが川の砂に含まれていて、きらきらしているのを見ることもある。
昔は白雲母は窓ガラスに使われたり、今では絶縁体・ファンデーションで使われたりと有用。
日本では「きら」「きらら」と呼ばれる。吉良も雲母に由来する名字。
角閃石(amphibole)
Ca2(Mg,Fe)4Al(AlSi7O22)(OH)2
img 一般的な造岩鉱物で、安山岩や斑れい岩などの中性~塩基性岩に多く含まれる(普通角閃石)。
また、変成鉱物として、緑色片岩や角閃岩などの変成岩中にも多く含まれる(アクチノ閃石)。
結晶形は輝石によく似るが、約120°で交わる2方向のへき開で区別される。
翡翠(軟玉)は角閃石の仲間だが、翡翠(硬玉)は輝石の仲間。
輝石(pyroxene)
XY(Si,Al)2O6
X はCa、Na、Fe2+、Zn、Mn、Mg、Li
Y はCr、Al、Fe3+、Mg、Mn、Sc、Ti、V、Fe2+
img 多くの火成岩や変成岩に含まれる。
角閃石によく似るが、劈開の交わる角度(約90°)により区別される。
結晶系により、斜方輝石(斜方晶系)と単斜輝石(単斜晶系)の2つに分類される。
翡翠(硬玉)は輝石の仲間だが、翡翠(軟玉)は角閃石の仲間。
カンラン石(olivine)
(Mg,Fe)2SiO4
img 玄武岩などの塩基性岩や超塩基性岩に多く含まれる。
カンラン石が主要構成鉱物である岩石をカンラン岩といって、マントルの上部は主にかんらん岩から構成されていると考えられている。
オリビンは植物のオリーブに似た緑色を呈していることから付けられた。
ペリドットもカンラン石の仲間。
方解石(calcite)
CaCO3
img 珊瑚、貝殻が大理石・石灰岩になる段階で出来る鉱物。 変成岩である結晶質石灰岩(大理石)では、方解石の細かな結晶が、再結晶して大きくなる。
マッチ箱を押しつぶしたような結晶体で、複屈折(透明な方解石を通して向こう側を見ると二重に見える光学的特徴)をおこす。 和名は、はじめ立方体に割れる硬石膏を指していたが、いつのまにか三方向に割れるこの石を指すようになった。

2.接触鉱物

火成岩(マグマ)の熱によって生成された鉱物。
スカルン鉱物(炭酸塩岩と火成岩との接触部にできる鉱物)が有名。
青金石(lazurite)
(Na,Ca)8(AlSiO4)6(SO4,S,Cl)2
img 通称:ラピスラズリ。青い鉱物は特殊で珍しい。
特殊な元素や温度などの条件下でのみ出来るので、産地はバイカル湖・ニューヨーク・チリに限られている(高圧帯?)。
ラズライト(英:Lazurite)とも呼ぶが、別の鉱物である天藍石の別名がラズライト(lazulite)となり日本語で同じ発音で紛らわしい。
ラピスはラテン語で「石」、ラズリはアラビア語で「濃紺」という意味。
ざくろ石(garnet)
A3B2(SiO4)
Aはカルシウム・マグネシウム
・鉄(二価)・マンガンなど
Bは鉄(三価)・アルミニウム
・クロム・チタンなど
Cはケイ素・アルミニウム
・鉄(三価)など
img 変成岩中に含まれる。
日本名・英明ともに、菱形十二面体の形状からざくろのつぶの意味がついている。
緑簾石(epidote)
Ca2Fe3+Al2(Si2O7)(SiO4)O(OH)
img 火成岩や変成岩にふつうに見られる。特に緑色片岩に多く含まれる。
珪灰石(wollastonite)
Ca3Si3O9
img 石灰岩に花崗岩などのマグマが貫入してきた際、その接触部付近にできる。
方解石(CaCO3)中のカルシウムとマグマ中のケイ酸が反応してできる。

3.鉱石鉱物

鉱石を構成する有用鉱物のこと。
鉱床に産する不要部分は脈石といい、脈石を構成する鉱物は脈石鉱物という。
自然金(gold)
Au
img 火山活動による熱水活動によって出来るらしい。
金には鉱山の鉱脈から採れる「山金」と、その山金が風化されて細かくなり、川で他の砂と一緒に堆積してできる「砂金」がある。
山金よりも砂金のほうが純粋な金に近い(金の品位が高い)。
自然銀と固溶体を形成するため、銀を含むことが多い。
自然銀(silver)
Ag
img 金と同じなので、火山活動による熱水活動によって出来る。。。?
銀は純水以外の水には溶けるらしく、砂銀は存在しない。
金と違い、自然銀の中に金を含むことはほとんどない。
黄銅鉱(chalcopyrite)
CuFeS2
img 鉱脈鉱床、スカルン鉱床などに広く産出する。
銅は純水以外の水には溶けるらしく、砂銅は存在しない。
河川の砂礫中に上流の鉱脈から洗い出された黄銅鉱が堆積することもある
ギリシャ語で銅を意味する「キャルコ」と、火を意味する「プリテス」とが組み合わさってキャルコパイライトと名づけられた。
黄鉄鉱(pyrite)
FeS2
img 金属鉱脈、鉱石中に産出する。また、鉄と硫黄からなるので、世界中どこでも産出する。
立方体、五角十二面体という形をとることが多い。
叩き合わせると火花が出るほど硬い。
英名は、ギリシャ語の「火花」に由来する。
錫石(スズ・cassiterite)
SnO2
img 熱水鉱脈、ペグマタイトなどに産する。
風化に強くて比重が大きいため、砂礫中に砂錫(さすず)として産することもある。
辰砂(しんしゃ・水銀・cinnabar)
HgS(三方晶系)
img 成因?
古来より赤色の顔料や漢方薬の原料として珍重されている。
中国の辰州(湖南省近辺)で多く産出したことから、「辰砂」と呼ばれるようになった。
磁鉄鉱(magnetite)
Fe3O4
img 火成岩中にごく普通に含まれる。
造岩鉱物でもある。
硫砒鉄鉱(arsenopyrite)
FeAsS
img 熱水鉱床やペグマタイト中に産する鉱物で、他の硫化鉱物と共存することが多い。
硫砒鉄鉱を焼くとヒ素が分離して、猛毒である亜ヒ酸ができる。
英名は砒素(Arsen)を含んだ黄鉄鉱(pyrite)の一種という当時の認識から。
燐灰ウラン石(autunite)
Ca(UO2)2(PO4)2・10-12H2O
img ウラン鉱床の二次鉱物として、あるいはペグマタイトに産出する。
日本では、岡山県・鳥取県県境の人形峠鉱山などに産する。
紫外線を照射すると、黄緑色の蛍光を発する。
モナズ石
(トリウム・monazite)

CePO4
img ペグマタイト、花崗岩、片麻岩、砂岩などに含まれる。
通常、小さな孤立した結晶として発生する。
英名は、ギリシア語の mona`zein(孤立する)から名づけられた。
ボーキサイト
(アルミニウム・bauxite)

Al2O3
img 二酸化ケイ素(SiO2)に対して酸化アルミニウムの比率が高い岩石が風化を受けると、熱帯性土壌であるラテライトを経てボーキサイトが生成すると考えられている。
よって、ボーキサイト鉱床は熱帯雨林地域または過去に熱帯雨林であった地域に多く見つかる。
ボーキサイトの名前は、フランスの都市レ・ボー (Baux)・ド・プロヴァンスから。
チタン鉄鉱(ilmenite)
FeTiO3
img 火成岩や変成岩に多く含まれるが、海岸の砂浜から採掘されることが多い。
月に多く存在しているらしい。
孔雀石(malachite)
Cu2(CO3)(OH)2
img 銅の一次鉱床の銅鉱石が大気中の二酸化炭素や地下水の作用によって風化し、銅化合物が濃集して形成された二次鉱床として一時鉱床の周辺などに分布する。
同じ組成の藍銅鉱と一緒に産出することが多い。藍銅鉱より、孔雀石のほうが安定した鉱物。
粉砕したものは日本画の岩絵具、花火の発色剤としても重用される。
和名は、微結晶の集合体の縞模様が孔雀の羽の模様に似ていることから名づけられた。
英名は、ギリシア語のアオイ科の植物Mallow(ゼニアオイ)から名づけられた。
蛍石(fluorite)
CaF2
img 熱水で、鉛や亜鉛などの金属鉱床ができるとき、ともなって出来ることが多く、産出量は多い。
強く熱すると青白く光る。産地によって模様や発光の仕方が違う。
和名は、ホタルのように光ることから名づけられた。
英名は、溶かすという意味からきている。溶剤(flux)と同じ語源と思われる。

4.粘土鉱物

粘土を構成する鉱物で、主成分は層状珪酸塩鉱物(フィロ珪酸塩鉱物)。
カオリナイト(kaolinite)
Al4Si4O10(OH)8
img 長石などが変質して生じる。
中国の有名な粘土の産地である江西省の高嶺(カオリン:Kaoling)に由来する。
また同質の粘土(鉱石)はカオリン(kaolin)と呼ばれる。
絹雲母(sericite)
白雲母と同じ
KAl2AlSi3O10(OH)2
img 層状珪酸塩鉱物である白雲母の細粒なもの。
火山岩などの熱水変質帯などに絹糸状もしくは粉末状の塊として産出する。
長石が変質して絹雲母化することが普通である。
愛知県設楽地域の絹雲母は、他の産地に較べ純度が高く、ヒ素などの有害な不純物も極めて低いため、化粧品や薬品としての原料として通用するほぼ唯一の国内産地である。
一般には、化粧品のファンデーションやセラミックの素材として用いられている。
緑泥石(chlorite)
化学式は長いので割愛
img 有色鉱物の変質により生じ、火成岩や緑色片岩(緑泥石片岩)に産する。
滑石(talc)
Mg3Si4O10(OH)2
img 蛇紋石(Mg3Si2O5(OH)4)が熱水変質、あるいは苦灰石(CaMg(CO3)2)が接触変成してできる。
モース硬度1の鉱石。滑石の上を歩くとよくすべる。
粉末にして黒板用のチョーク、玩具、工事現場などでのマーキング用、ベビーパウダーなど化粧品類、医薬品や上質紙の混ぜ物などがある。
沸石(zeolite)
組成は種類によって様々
img 溶岩と水の相互作用により生じ、主に温泉地帯から産出する。
枕状溶岩や深海中、そして火山灰の地層と地下水との接触によっても生じる。
内部に水が含まれているため加熱すると沸騰しているように見える。
ギリシャ語のzeo(沸騰する)とlithos(石)を合わせてzeoliteと名付けられた。
分子ふるい、イオン交換材、触媒、吸着材として利用されている。

産出状態以外による分類

化学組成による分類:元素鉱物・硫化鉱物・炭酸塩鉱物・珪酸塩鉱物など
一番よく使われる分類方法。

対称性による分類:等軸晶系・斜方晶系・六方晶系・単斜晶系など
原子の配列が反映される。

結晶構造による分類:スピネルグループ・柘榴石グループ・長石グループなど
珪酸塩鉱物でよく使われる。
楽観主義者の鉱物図鑑のページで説明されている「ネソ珪酸塩鉱物・フィロ珪酸塩鉱物…」という分類はこの分類でないかと思うのですが、どうなのでしょう?

外形による分類:板状・柱状・錘状
形を見るだけで鉱物が分かる場合には有効。

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