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単位あたり量から見た物理
全ての単位あたり量を比例関数で表すと、物理が分かりやすくなるんじゃないかと思い、中学理科〜高校物理をまとめてみることにしました。
1.単位あたり量とは
2つの量の関係を表す量のことで、一番最初に小学校6年生で習います。速さとか習いましたよね。
物理や中学生の理科では、「○/△」と表されています。
「重さが2kg」という量ではなく、「1mあたり2kg」という量で、物の『質』を表します。
この単位あたり量は、典型的な(直接的な)単位あたり量と、後で述べる比例関係によって生み出された間接的な単位あたり量があります。
銀林浩先生の「量の世界」という本によると、典型的な単位あたり量は以下のように分類されています(簡略化しています)。
○/△という単位 |
○が分布量 |
○が位差 |
△が時間以外の量(場) |
密度 |
勾配(傾き) |
△が時間(時系列) |
流量 |
速さ |
*分布量:人の数や、重さなど。
*位差:数直線で表したときの上の値と下の値の差
単位あたり量の延長の学習として、比例(y=ax)があります。これも小学校6年生で習います。
比例は、「xが2倍、3倍になると、yも2倍、3倍になる」という定義のほうで考えていきます。
この比例を使えば、例えば速さ(m/時)では、
位差(m)=速さ(m/時)×時間(時)
となり、「時間が2倍、3倍になると、位差も2倍、3倍になる」と、関係を理解することができます。
(ちなみに、反比例は小学生のどの学習とも結びつかない、全く新しい考え方なので苦手になる子が多くなります。)
公式は、一般物理学と、
物理単位一覧から組み立てました。
2.密度で見た物理(ここでの密度は、分布量/時間以外の量)
V=(密度)×m (重さが2倍、3倍になるほど、体積は2倍、3倍になる)
F=(圧力)×S (面積が2倍、3倍になるほど、力は2倍、3倍になる)
3.流量で見た物理(ここでの流量は、分布量/時間)
I=(電荷)×t (時間が2倍、3倍になるほど、電流は2倍、3倍流れる)
4.速さで見た物理(ここでの速さは、位差/時間)
x=vt (時間が2倍、3倍になるほど、距離が2倍、3倍になる)
v=at (時間が2倍、3倍になるほど、速さが2倍、3倍になる←単位あたり量の単位あたり量なのでイメージしにくいですね。)
5.勾配(傾き)で見た物理(ここでの勾配は、位差/時間以外の量)
ない?
6.比例関係によって出来た単位あたり量
1〜5で紹介した単位あたり量以外に、比例関係によって出来た単位あたり量があります。
これは、今までとは逆で、量と量の間に比例関係(y=ax)があるとき、aを新しい単位あたり量とすることができます。
例えば、燃費(円/リットル)。値段とかさには普通何の関係もありません。
でも、かさが2倍、3倍になると値段が2倍、3倍になるとき、
値段=a×かさ→a=値段/かさ
という風になり、aを燃費と名づけるわけです。このような量を紹介します。
F=-kx (2倍、3倍に伸びるほど、ばねの縮まる力が2倍、3倍になる)
F=μ(ミュー)T (力が2倍、3倍になると、摩擦力も2倍、3倍になる)
C(熱容量)=C0(比熱)m (重さが2倍、3倍になると、熱容量も2倍、3倍になる←比熱自体が単位質量の物体を1度だけ上げるのに要する熱量なので、比例式にすることに意味はない…)
わかったこと
・単位あたり量で表したほうが、性質がわかりやすい。
・でも、量のイメージがしにくいときは、比例で1つ1つ理解することができる。
・ベクトルが絡むともう単位あたり量では理解できない。
・「一般物理学」を数学の視点で見ると、理解しやすいし、結構おもしろい。数学と物理をつなげることで興味を持つことができるかもしれない
(↑数学が得意な子にのみ)。
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